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サクラ大戦の基礎知識(世界観・キャラクター・音楽) [サクラ大戦]

サクラ大戦とは、1996年にセガサターン用ソフトとして発売されたドラマチックアドベンチャーゲームである。
いわゆるギャルゲーで、主人公・大神一郎(プレイヤー)が、9歳から19歳までの非常に個性豊かな6人の女の子と交流していく中でそれぞれの好感度(「信頼度」と「恋愛度」が存在する)を上げていき、最終的に一人ヒロインが決まるというものだ。シリーズは全5作で、3と5はそれぞれ巴里と紐育に舞台を移すため、別のヒロインたちが登場する。バトルゲームの側面もあり、好感度が戦闘力に影響するようにもなっている。

私はほとんどゲームをやらないので、ゲームとして画期的だったとかここがすごいという判断はできないが、サクラ大戦の魅力は何と言ってもその世界観・キャラクター・音楽だろう。唯一無二の世界観、個性的なキャラクター、多ジャンルにまたがる音楽という盤石の基礎を持ち、サクラ大戦はゲームを下敷きにしながらもゲームの枠を越え、ドラマCD、舞台、アニメ、映画、漫画など、様々なメディアに広がっていく。いま流行っているラブライブやアイマスとも関連付けてメディアミックスの先駆けとして語られることも多い。特に、声優本人がそのキャラクターとして舞台に立つ「歌謡ショウ」の形を確立した功績は大きい。

上記の三点を軸に、サクラの魅力について簡潔にまとめることを目標にして書いてみたものの、やはり長くなったので続きは以下からお読みください。
自分でも若干引いたのは、この記事を何の資料も見ることもなく一気に書いてしまったことです。
記憶だよりなので、何か誤った情報にお気づきの方はぜひお知らせください。

世界観
簡単に設定を説明する。現実の大正時代をモデルにし、電気ではなく蒸気が発達した架空の「太正時代」を舞台に、帝都防衛のために組織された帝国華撃団が悪の組織・黒之巣会(くろのすかい)と戦うというものだ。帝国華撃団花組(ほかにもいろいろな組が存在する)はその中の戦線部隊であり、人型蒸気「光武(こうぶ)」を操作して戦う。この光武を動かすのには、「霊力(れいりょく)」と呼ばれる特殊能力が必要であり、それを持つ者には若い女性が多い。主人公・大神は男性にして光武を動かすほどの霊力を持っており、海軍から花組に転属されるのである(帝国華撃団は陸海空からは独立した政府直属の機関である)。

さて、帝国華撃団本部として指定された住所を探し銀座に来た大神は、そこに大帝国劇場を発見する。なぜ劇場に・・と思いつつ、米田一基(よねだいっき)陸軍中将を探すと、確かに彼はそこにいた。だが、劇場支配人として。渦巻く疑念をよそに、大神は劇場のモギリを任せられる。軍人たるもの、命令には背けない。しかし、帝都を守るという任務とモギリの仕事に何の関係があるというのか。舞台では役者がすべて女性の帝国歌劇団花組公演が行われており、日夜大盛況である。耐え切れなくなった大神がついに支配人に直訴しようとしたその瞬間、警報が鳴り響く。地下に召集された大神は、そこで初めて、帝国歌劇団は帝国華撃団の表の姿であり、劇場の舞台に立っていた女性たちこそが、花組隊員であったと知る。

帝国華撃団の本部が劇場にあり、花組隊員の表の姿が舞台人というところがとてもいい。
雑なまとめ方になってしまうが、古く芸能は「あの世」と「この世」を結ぶ媒体と考えられており、異界のものを召還・あるいは鎮めるために舞やら唄が使われてきた。中学生時分、そんなことは全く考えていなかったものの、黒之巣会(人に非ざるものたち)と霊力をもってして戦う隊員たちが劇場で生活し芝居をしているというのは、子どもながらにしっくりくるものがあった。

このように、サクラ大戦は大正浪漫、戦隊物、スチームパンク、少女歌劇といった多彩な要素を採り入れた作品である。いろいろな物のいいとこどりをしていながら、世界観が破たんしていないのは、原作の広井王子氏の力によるところが大きい。

キャラクター
花組のメンバーは初代ゲームで6人、2で8人に増える(私は帝都のファンなので、巴里と紐育に関してはおそらくこのブログでは触れない)。
初期メンバーは真宮寺(しんぐうじ)さくら、神崎(かんざき)すみれ、マリア・タチバナ、イリス・シャトーブリアン、李紅蘭(りこうらん)、桐島(きりしま)カンナの6人。2ではソレッタ・織姫(おりひめ)とレニ・ミルヒシュトラーセが加わる。
それぞれ非常に個性的で、各キャラクターに関して語り始めたら永遠に終わらなさそうなので、とりあえず簡単に特徴を挙げる。

真宮寺さくら(CV 横山智佐)
仙台出身、17歳。北辰一刀流免許皆伝。刀を振り回す和服の女の子。ピンクの和服に赤い袴、大きな赤いリボン、靴といった様相は、『はいからさんが通る』をイメージしたものである。やきもち焼きで、大神とほかの隊員が仲良くしているとどこからともなく現れる。いわゆる「ふつうの」女の子。

神崎すみれ(CV 富沢美智恵)
神奈川出身、16歳。長刀の神崎風塵流免許皆伝。肩が大きくはだけた紫の和服にチョーカーやヘアバンド、ひざ上までのブーツという特徴的な服装。日本屈指の神崎財閥の一人娘であり、一言でいうと高慢なお嬢様だが、花組のことは大切に思っていて、愛情表現が苦手なだけな女の子。後述のカンナとは喧嘩するほど仲がいい関係。

マリア・タチバナ(CV 高乃麗)
ウクライナ・キエフ出身、19歳。銃の名手。ロシア人の父と日本人の母を持つが、見た目に日本人らしさは全くない。金髪長身で、舞台ではいわゆる男役を務める。かつてロシア革命で戦った際のトラウマを抱え、ゲームではなかなか大神に心を開かなかった。ふだんの冷徹なイメージのほかに、ボルシチを作ったり、さくらの衣装をこっそり着てみたがったりという乙女な一面も見せる。そのギャップと麗さんのハスキー低音ボイスゆえに、女性ファンが非常に多い。

イリス・シャトーブリアン(CV 西原久美子)
フランス・シャンパーニュ出身、9歳。通称アイリス。大富豪シャトーブリアン家から帝都にやってきた西洋人形のような金髪碧眼の女の子。霊力がずば抜けて高く、空を飛んだり瞬間移動したり、何でもありな能力を持っている。子ども扱いされるのを何より嫌い、1の途中で10歳の誕生日を迎えた時には10代になったと喜んだ。大神のことを「お兄ちゃん」と呼び、一部の男性ファンに圧倒的な支持を得ている。常にテディベアのジャンポールといる。

李紅蘭(CV 渕崎ゆり子)
中国・北京出身、17歳。天才発明家で、光武開発責任者を兼ねる。霊力は花組で一番低いが、機械を愛する心から光武とのシンクロ率は高い。「こんなこともあろうかと」というセリフと共に自身の発明品を持ち出すが、そのほとんどが爆発する。かつて辛亥革命で家族を失った壮絶な過去とは裏腹に花組のムードメーカー的存在。来日時に神戸でアメリカ人に日本語を教わったために変な関西弁を操る。関西弁、メガネ、そばかす、チャイナドレス、発明家、紫の髪と、あらゆる残った属性をつめこまれたキャラとも言えるが、私の推しは誰であろうこの子である。

桐島カンナ(CV 田中真弓)
沖縄出身、19歳。琉球空手桐島流継承者。身長197cmという体格と、誰しもが知るその声のイメージから男性に間違えてしまいそうになるが、豊満な胸が女性であることを思い出させてくれる。ゲーム冒頭では沖縄で修業中のため少し遅れて登場するが、沖縄からの船が沈んで帝都まで泳いでやってきた。一人称はあたい。力持ちで男らしいが、子どもから好かれたり照れ屋な一面もあり、マリア同様ギャップが魅力的な女性である。

以上、花組隊員はそれぞれ花の名前を名前に持つ。2で登場する以下の二人は、実験部隊欧州星組隊員であったことから、それぞれ星に関する名前が与えられている。

ソレッタ・織姫(CV 岡本麻弥)
イタリア出身、17歳。日本人の父とイタリア人の母を持つ。国際色豊かな花組の中において唯一、外国育ちであることを感じさせるイントネーションで話す。感情をストレートに表現し、時にまわりを委縮させるところはすみれに通じる。ヨーロッパでは女優として高く評価されているらしい。元星組隊員同士、レニと仲が良い。

レニ・ミルヒシュトラーセ(CV 伊倉一恵)
ドイツ出身、15歳。少年のような見た目を持ち、大神に男の子だとしばらく勘違いされていた。バレエ・戦闘などにおいて天才的な能力を発揮するが、その反面人間らしさが欠如している。その原因は、欧州大戦(この世界でいうところの第一次世界大戦)中にドイツが行った非人道的な霊力実験に起因する。花組隊員と生活する中で人間らしさを取り戻していく。いわゆる少年好きな男性・女性に幅広く愛されている人気のキャラ。

音楽
サクラ大戦の音楽はすべて田中公平氏が作曲している。
非常に評価が高く、現在でもゲームのBGMは夕方のニュース番組などでよく使われている。
田中公平先生は一言でいうとである。あまり神という言葉を使いたくないが、正直それ以外に思いつかない。歌謡ショウなどで田中先生を見かけた時は、「あ、神がいる」と思ったものだ。サクラ大戦は彼の音楽なしには語ることができない。
まず主題歌の「檄!帝国華撃団」はサクラ大戦を知らなくとも耳にしたことがある人が多いだろう。
通称ゲキテイとして愛されているこの曲には様々なバージョン(間奏が違ったり、3番があったりなかったり、違うキャラクターが歌っていたり)があるが、私のおすすめはTVアニメ版である。先述の歌謡ショウはすべてゲキテイで締めくくられることになるのだが、その多くがこのTVアニメ版を使用する。


サクラ大戦にはこのゲキテイを筆頭に、ゲームのBGMとは別に、200曲(300ともいわれるが正確に数えたことはない)を超える歌が存在する。そのすべてが、登場人物が歌う、いわゆるキャラソンである。
初代ゲームのキャラソン集「帝劇歌謡全集」に始まり、ドラマCD、TVアニメ、OVA、歌謡ショウの度に新曲が加えられていった。
原作の広井王子氏は、歌謡ショウを視野に入れて声優をキャスティングした。広井氏自らが声優のイベントや舞台に足を運び、ぜひこの人にという人が選ばれたそうだ。芝居は言わずもがな、キャラクターとして歌えるかどうかが重視されたという。結果、そうそうたる役者が選ばれている。

私は中学に上がったころ、アニメやゲームにさほど興味がなかったが、そんな私でも知っている声優さんばかりが出ているということで2の歌謡全集を手に取ったのがきっかけでサクラ大戦にどっぷりとはまった。私にとって、すみれはレイちゃん、カンナはきり丸、紅蘭はカズマ、アイリスはダイアナであり、最初に歌謡全集を聴いた時には、これらのキャラクターが歌っているようにしか聞こえなかった。それほどまでに耳にしみついていた声を持つ役者さんに、中学生の私は言いようもなく惹かれた。そんな私が歌謡ショウに行くようになるのは時間の問題である。

次回はもう少し音楽と声優さんの話題を話せたらと思います。
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