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宙組『王家に捧ぐ歌』感想 [宙組]

一ヶ月ほど前に宙組公演『王家に捧ぐ歌』を観劇しました。
銀英伝でまぁくんのファンになってからおよそ3年。
花組の頃からトップになる人だとはわかっていたものの、実際に真ん中に立つまぁくんを見た時の感動はなかなか言葉では言い表しがたいものがありました。
本当におめでとうございます。もうそれだけ。
本当にうれしい。

宝塚ファンになって9年。その間に、応援してきた人がトップになる喜びを、2度も味わえたと思うと幸せです。
ご贔屓がこれまでたどってきた道を振り返ることは、同時に自分のファン人生を振り返ることにもなります。ご贔屓があの役をやっていたとき、私はあんなことをしていたなとか、忙しくてあまり観劇できなかったなとか。そう思うと宝塚って人生ですよね。こういう存在があるのってすごく幸せなことです。

さて、本題の『王家』ですが、映像がないので場面毎に感想を述べていくことができません。
そこでいくつかキーワードを並べますと、以下のようになります。

・お披露目とは思えないトップコンビの完成度
・黒塗り真風
・トップコンビと二番手男役の勢いをもってしても気になる伶美うららの実力
・愛ちゃんの成長

まあまあ長いので隠します。


初演では男役トップがラダメス、二番手がアイーダ、そして娘役トップがアムネリスでした。
今回は男役トップがラダメス、二番手がアイーダの兄ウバルト、娘役トップがアイーダでした。
私は初演は見ていないので比較はできませんが、みりおんがアイーダで大正解だったと思います。
真風が決してアイーダキャラではないことを考えると、それ以外にはありえなかったともいえますが(笑)

トップコンビはこれがお披露目とは全く思えない安定感でした。
二人が組を引っ張っているというのが何よりもよく伝わってきました。
この二人なしでは舞台が崩壊してしまう。それくらいの存在感があり、まさにトップコンビの貫禄。
花組時代に組んでいたことも大きいでしょう。相性抜群でした。

7学年離れているけれども実年齢は4つしか違わないあたりも、同志という感じがしてとてもよかったです。
まだ若い娘役が経験豊富な男役にひたすらついていくというのもかわいいですが(ゆひすみがそうでした)、お互いに芯をしっかり持って共に進んでいくコンビ像の方が私は好きです。
まぁくんは俺についてこい系の男役さんではなくて、娘役を優しく見守りつつ、自分も成長する伸びしろがまだある若さと青さが魅力だと思います。
みりおんはみりおんで、銀英伝のヒルダが「その瞳に見つめられるよりも同じ星を見つめていたい」と歌っていた言葉そのもののイメージです。
これからどんな役を二人で演じていってくれるのか、とにかく楽しみです。

エジプトものとあって、キラキラまぶしい舞台装置と衣装でしたが、まぁくんは金色がよく似合い、それがいやらしくないのがすばらしいと思いました。彼女には天性の品が備わってるなぁと。
歌もすごくのびやかで表現力が豊かになっていて、真ん中で一人で歌っていても全く心配にならない。
(こんな穏やかな気持ちは前のご贔屓の時代には味わうことができなかったので余計に・・)
ラダメスは見ようによっては義務を捨てて愛に生きた身勝手な人になってしまうわけですが、まぁくんを責める気にまったくならないのは贔屓目なのでしょうか(笑)
どこからどこまでも潔白な人なんですよね・・。
まぁくんの白さは誰にも負けない。
また、ラダメスがアイーダに「あなた」と呼びかけるのも非常によかったです。
まぁくんはおまえじゃなくてあなた。これは譲れない。

みりおんも、圧巻。
トップ経験はまぁくんよりも長いわけなので、その点ではまぁくんを引っ張るくらいの気迫を感じました。
今回のアイーダも、誰よりもぶれない芯を持っている強い女性がよく似合っていました。
彼女の美しい歌声で「戦いは新たな戦いを生むだけ」と歌われると、ちょうどこのご時世にも響く内容で、胸にずしりとくるものがありましたね・・。
芝居も歌もダンスも、これだけ安定している娘役はなかなかいません。しかも見た目もめちゃくちゃきれいで華奢で、本当に貴重な存在。
私服を見ていても、自分に何が合っているか、ちゃんと理解しているところも好印象です。
優等生だけど華があって、大好きです。

今回から宙組に異動してきた真風涼帆。
さっきから呼び捨てなのは悪気があってのことではなく、ただいままでずっとまかぜまかぜと呼んできた名残です。
こんなに黒塗りが似合う人がいるだろうか、というくらい非常にかっこよかったです。
影のある役ができる人だと思うので、まぁくんの白に真風の黒が加わって、これからの宙組の舞台に厚みを出してくれること間違いなし。とても心強い存在で、期待大です!
(あとフィナーレのアイドル感にも感動しました!役者としての幅がある人ですね)

アムネリスの伶美うらら。
残念でした。とにかく残念!
全観客が息を飲むだろう美貌をもってしても、その歌唱力をカバーすることはできないのか・・と、残念に思いました。
セリフも学芸会みたいな一本調子で。
ラダメスに想いを打ち明けるところは素直でよかったと思いますが、貫禄がなく、高飛車な発言をするときの声の調子や身体の動きがすべて同じで、聞いていられませんでした。初演の映像を見ると檀ちゃんもなかなかの歌唱力ですが、貫禄はありましたよね。うららちゃんには偉そうなところがない。それは彼女のいいところでもあるのですが。
いまの宙組にアムネリス役者は彼女しかいないとは思いますが、それでもトップ二人の足を引っ張っていたのは確実です。
いまとなっては、アムネリスはせいこちゃんでもよかったのかなとも思います。

ケペルの愛ちゃん。
いやー、ノリノリでした。中堅男役のギラギラ感をいやというほど見せつけられました。
舞台を降りるとふわーっとした雰囲気の方ですが、男らしいたくましさを感じました。
今回の公演を見て一番成長を感じたのは彼女です。もっともっと大きくなってほしいです。
(フィナーレのピンクとカールした髪が似合いすぎてかわいかったです。ピンクの似合う男役さんは貴重)

フィナーレは、個人的に高評価。
とくに娘役さんが金と赤のドレスに前髪ありのストレートウィッグで踊るところは超かわいくてずっと見ていたかったです。(選曲にはあえて触れず)
そして、真っ金金のまぁくんが舞台上で早着替えをして純白の衣装になり、同じく純白のドレスで登場したみりおんとデュエットダンスに入るくだりは幸せの絶頂。
まぁくんはやっぱり金が似合うなぁとうっとりしてたら衣装が白になり、うわっ!まぁくん白似合いすぎ!と前のめりになりました。最後の羽根も豪華だった・・。感無量でした。
すっしぃさんとあおいさんの組長・副組長コンビも大好きなので、これからますます宙組から目が離せません。
改めまして、朝夏まなとさん、実咲凜音さん、お披露目おめでとうございました!

そして次回作にも触れておかなければなりません。
『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』と、ダイナミック・ショー『HOT EYES!!』の2本立て。
ポスターがもう上がっていますが、こちらも赤と金なんですよね~!
楽しみです!!
また、大介ショーにも期待が高まります。
朝夏まなとの大きく真っ直ぐな“瞳”。その瞳に宿る、輝きや情熱から受ける様々なイメージをテーマに、エレガンスとダイナミックさを合わせ持った作品。朝夏率いる宙組の魅力を存分に引き出した、華やかで情熱的なショーをお楽しみ下さい。

相変わらず何も内容のない解説ですが、非常に期待しています!
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July

お久しぶりです。帰国されていたのですね。
私も「王家に・・・」大好きです。画質の悪いDVDではなくブルーレイなのが嬉しい。滅茶苦茶気に入って新人公演も観に行きました。ずんちゃんとまどかちゃんも歌が上手くて次のバウ公演が楽しみです。

愛ちゃんは貫禄も出てきましたね。
今年「舞踊会」を久しぶりに観たのですが、まあくんも凛々しかったけど、愛ちゃんが成績優秀ってプログラムにも書いてあったので和物もいけると思います。

宙組はコーラスが抜群です!ホント。
うららちゃんは迫力ある美貌なのに勿体無いわ。
by July (2015-10-11 23:16) 

てんか

Julyさま

本当に遅くなってごめんなさい。ブログを完全に放置しておりました。
この冬も東京におりましたが、いよいよ宙・雪の公演日程と帰国日程が合わなくなり、とても残念です。
シェイクスピアも観たかったのですが、個人的にはるろ剣を観られないことが最大の未練です。雪組はいま宝塚ファン以外の人たちへの窓口みたいな位置づけで原作物を次々とやって宝塚を紹介していることもあり、いろんな文脈で話に出てきてつらいです。

宝塚の醍醐味のひとつは、ジェンヌさんの成長を見るところにあると思うので、やっぱりすぐに劇場に行けないというのは致命的ですね。。
by てんか (2016-02-08 08:42) 

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