ちぎちゃんの魅力

昨夜、宝塚から遠く離れた自宅にて、雪組『ベルサイユのばら‐フェルゼン編‐』の上映会を開催しました。
お付き合いくださったのはライトなヅカファン、しかしオタクのポテンシャルは充分に持ち合わせていらっしゃる先輩。
彼女に現在の雪組（と、ちぎちゃん）の魅力を体感してほしいとの想いから実現にいたりました。
結果、西洋史研究者としての鋭い突っ込みを交えつつ、えりたん率いる雪組のよさを認識してもらうことができたと確信しています。
しかーーーーーし！
ちぎちゃんの魅力が伝わったのかどうか、私には自信がありません。
だってパレードのちぎちゃんのパートで横見たら爆笑してるんですもの。
（そりゃ、お歌が特別うまいとは言いませんよ、わたくしとて）
というわけで、私が早霧せいなという人のどこに一番惹かれるのか、ベルばらのオスカル役を中心として考えてみました。
やましいことは何一つ書いてませんが、なんか恥ずかしいので隠します。


私がちぎちゃんに惹かれるようになったのは、まさに雪組のベルばらでオスカルを演じるちぎちゃんを観てからのことです。
ゆうひさんとちょうど入れ違いで宙組から雪組に組替えになったちぎちゃん。
ゆうひさん退団の一年後に初めて生で観劇がかないました。（こういうのも巡り合わせだなぁと思う）
もともと映像はいくつか観ていたけれど（『ニジンスキー』とか）特に気になることはなく、むしろベルばらも「えりたんのお披露目、そして久しぶりのまっつ」というくらいのモチベーションで行ったのを覚えています。
が！
オスカルとして舞台上に現れたちぎちゃんに目が釘付けに

ちぎカルの魅力は一言で言って全身からにじみ出る、もろさ・儚さだと思います。
女の身でありながら男として生きることのアンバランスさ。それがオスカルの強さでも弱さでもあり、それがキャラクターの魅力につながります。そしてちぎちゃんはそれを見事に体現していたと思います。

まずは外見の魅力
目鼻立ちがはっきりした正統的な美しさ。
透き通るような白い肌。
強いライトが当たった時に、一際薄く輝く茶色い目。
特徴的なハート形の唇。
この辺までは一目瞭然と言いましょうか。オスカルに限らず、ですね。
そして身体の線が細い。白タイツの脚なんかジェンヌさんの中でも一際細くて、私はお芝居の間中ずっととちぎちゃんの足首を凝視してました。
小柄であることは、男役さんとしてマイナスにはたらくことがあるかもしれません（ご自分でも身長はコンプレックスとおっしゃってました）。でもオスカルとしてはそれが充分に活かされていました！
（それに男役をやっているときもオーラがすごいので、実際より大きく見えるんですよ）

内面（お芝居）の魅力
ちぎちゃんの思い悩んでいる表情が大好きです。
悩んだり困ったりしている芝居をする時、ちぎちゃんはよく瞬きをたくさんするのですが、それが本当にかわいいですオスカル役は特にそれがたくさん見られて大満足でした。
眉間のしわも印象に残ります。
芝居中の眉間のしわに関してはゆうひさんが有名でしたが（笑）、ゆうひさんの場合は人生経験豊かで深く考えすぎてしまうことによる大人な悩みを抱えているという印象なのに対し、
ちぎカルの思い悩んでる表情は、このままだとこの人は一人で思い悩んでダメになってしまうかもしれない、という庇護欲をかき立てられる表情だと思います。何かしてあげたくなっちゃうというか。
だからまつドレの懐の深さとは相性がばっちりでした

そしてこのことはそのまま早霧せいなという人にも言えるような気がしているのです。
オスカルの言葉を借りれば「誰かにすがりたい、誰かに支えられたい」と口にしなくてもその思いが外に出ちゃってて、まわりがほっとかないタイプというか。
彼女はネットを中心によく「あの美貌なのに中身は中学生男子」とか言われています。
たしかに、ゲーム中にムキになる様子とか、他の人がシンデレラとかピーターパンとか言っている中で好きなアニメは「北斗の拳」とか言ってしまうところは、男子かっ！と突っ込まざるをえません。
でもその無邪気さも、見方によってはまじめで人一倍繊細な心を隠すための処世術のようにも思えないでしょうか。あの明るさの中には、きっと隠している何かがあるに違いない。そう感じてしまうのです。

この間シャルウィ／コンタカのナウオンを見ていて、めちゃくちゃ萌えた瞬間がありました。
コンタカの客席降りで一番後ろまで行くと知った時に、わくわくしたというあゆっち。
そんなあゆっちに対して、ちぎちゃんはぼそっと聞こえないくらいの声で「さすが若い」と言うのですが、それがどうしようもなくツボで。
いつも元気に無邪気にふるまってても、ちぎちゃんもちゃんと年を重ねている生身の人間なんだなぁ、客席降りは超ハードで疲れるんだろうな、というのが改めて実感できて、どうしようもなくいとおしくなりました。

ジェンヌさんはもちろん年齢の話はご法度。いつまでも清く正しく美しい妖精であり続けなければなりません。
でもそれは人工的なもの、仮面です。
タカラジェンヌという、すみれコードに守られた美しい仮面にわずかな亀裂が入る。そこから生身の人間らしさがにじみ出る。
私がジェンヌさんを観る時に一番魅力を感じる瞬間はこれなんだと気付きました。
そしてちぎちゃんは、その人間らしさが出やすいタイプのジェンヌさんだと思うんです。
本人はたぶん、出そうと思っているわけではないのでしょう。
でもご本人のまっすぐさ、嘘をつけない性格が、本名のちぎちゃんの顔を時々のぞかせる。
それが、言いようもなくいとおしく、そして美しいと、私は思います。



これで早霧せいなさんの魅力をわかっていただけたでしょうか（笑）



補足。
先輩が爆笑したちぎちゃんのお歌について。
私も決してうまいとは思いませんし、主演になるなら今の状態じゃきついと思います。
それでも私はちぎちゃんの歌が好きです。
気持ちがまっすぐな人だということがよく伝わる歌声だと思います。
声量があってまっすぐに響いてくるので、気持ちいいです。
まあ、微妙に外れた音がまっすぐ響いてくるといろんな意味でどきどきしてしまいますが。

コメント 4

ご解説ありがとうございます。そして，おはよう。
「横を見たら爆笑」なんて失敬な！「愛のおもかげー」でちょっとクスッとしてしまったくらいじゃん（クスッとは，まぁ，したけど）！
技術がすぐれているわけではなくてもその歌が好きっていうのは，もちろんわかりますよ。人柄がにじみ出ている歌というのも，私もジャンルは違えど多く聞いてきましたから。この人の歌は決してうまくないけど，でもこの人の歌はなんか声がにこにこしていて聞いている方が笑顔になる，とかね。ダンスも然り。
ともあれ，やはり私にとってもヅカは大切な青春の1ページです。また邪悪ナイトしましょう。

by 「ライトなヅカファン、しかしオタクのポテンシャルは充分に持ち合わせている」私 (2014-02-08 20:17) 

「ライトなヅカファン、しかしオタクのポテンシャルは充分に持ち合わせている」あなた

コメントありがとうございます。
なんか一般論に逃げられている気がしてならないのですが、結局ちぎちゃんの魅力は伝わったのですか！！？ww
あいのおもかげーはもう正常に聴けなくなってしまったじゃないですかー。もう、いままでは何も気にならなかったのに！

邪悪ナイトしましょうね。タイムリーだし次回はキャパかしら。
by てんか (2014-02-08 22:42) 

>でもその無邪気さも、見方によってはまじめで人一倍繊細な心を隠すための処世術のようにも思えないでしょうか。あの明るさの中には、きっと隠している何かがあるに違いない。そう感じてしまうのです。

突然お邪魔します。最近、早霧さんに興味をもち、ブログを巡回してたどり着きました。無邪気さに関する考察、実は私もそう感じておりまして、どっぷりはまるのを躊躇しています。この人にはまったら、退団後のジェンヌロスはキツイかな~。
まだ、FCも何も入っていないので、この距離で行った方が良いのか、突っ走ってしまうのあか…。もう少し、ジタバタしてみます。
by 桃太郎侍 (2014-03-20 23:31) 

桃太郎侍さま

コメントありがとうございます。
賛同していただけてうれしいです。だからこそ、はまったらどっぷりはまってしまう危険性をはらんでいる方と言えるわけですよね。でも、どっぷりはまることを躊躇している時点ですでにどっぷりとも言えるのではないでしょうか？＾＾
私も会には入っていないです。ちぎちゃんは、もう私なんかが会に入らなくても安心してスターさんと言えるので、たぶんこれからも入らないと思います。（以前祐飛さんの会に入った時は、彼女がまだ月組3番手の頃で、私が応援しなければという謎の責任感が働いていました）
入会してもしなくても、好きなことには変わりないので、このままちぎちゃんを応援していきたいですね。それに、入会しようかなぁとじたばたするのも、けっこう楽しいですよね。
by てんか (2014-03-22 04:38)