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蘭乃はな退団会見に思う [宝塚]

蘭ちゃんが退団会見を行いました。 公式はこちら。 サンスポ記事はこちら

思うのは自由。問題なのは、それを口にするかどうか。

内容もタイミングも異例づくしで、いろいろ考えさせられる会見でした。
決して蘭ちゃんを責めているのではありません。
ただ、そういう風潮があることを把握した上で書いています。

考えれば当たり前な話ですが、宝塚という夢の世界が成立しているのはシビアな裏の世界、端的に言えば雇用者/被雇用者の契約関係があるからです。
劇団は会社、生徒は社員。タレント契約制になる研6以上はとくにそうです。
雇用する側もされる側も、それぞれがそれぞれの思惑のもとに動いています。

でも「夢の世界」を壊さないために、そのようなことは隠ぺいされてきた。
(劇団員を生徒と呼ぶこと自体も、幻想を助長していますよね)

だから劇団と生徒の間に駆け引きが行われたことを口にした蘭ちゃんは異例なことをやってのけたと思います。
そしてそれを聞いた私は慣れない経験に正直当惑しました。
でも、そんなのいままでの生徒さんは誰だってやってきたんでしょう、たぶん。
みんなそれを口にしてこなかっただけで。

ひとつ言えることは、彼女の発言が、結果として生徒から劇団への一種の抵抗と読めるということです。

「エリザベートをやってくれないか。」
このことばがどのような力関係を帯びていたのか、私には考えもつきません。
単純な提案だったのか、それとも半強制的だったのか。
いずれにしても、蘭ちゃんが劇団から慰留されたのは、おそらく事実なのでしょう。
とにかく劇団から話を持ちかけられた。
大事なのはそれを蘭ちゃんが会見で「自分の意志で受けた」と発言したことです。
自分が主導権を握ったということを彼女が示したということです。

それが自己中心的?
そうかもしれません。
でもこれを発言したのが男役だったら?
世間の反応もだいぶ変わってくるのではないでしょうか。

本当にエリザベートをやりたかったのか、それとも蘭寿さんといっしょに退団したかったのか。
それは蘭ちゃんにしかわからないし、この際関係ありません。
「やりたかった」と発言したことそれ自体に、私は同い年の女性として、蘭乃はなという舞台人の強い意志と決意を感じます。
社会人としてプロフェッショナルな選択をした彼女に、私は悪い気はしません。

異例な発言をした蘭乃はなと、その発言を公式ホームページに掲載しなかった劇団。
100周年を迎えたいま、ネットの圧倒的な普及によって、宝塚も美しいだけの世界として自らを提示することは難しくなってきているようです。
それが露見したのが蘭ちゃんの今回の退団会見だったのだと思います。
時代に合ったかたちで変化していくこと、それは今後100年を見据える上で、避けては通れない道でしょう。
一ファンとしても、この会見を今後の宝塚のあり方を考える機会にしたいと思います。


最後に。
思うのは自由。それを口にするか、それが問題。
それは奇しくも、蘭ちゃんをネット上で非難する人たちにも言えることでしょう。
自分の発言に責任を持てる人がどんどん減っていることが残念でなりません。
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コメント 4

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はじめまして。
蘭乃ちゃんのバッシング、単純にエリザベートやりたい発言やこのタイミングの発表に関しての批判もあるでしょうが、それは劇団の主導もあるでしょうし、そこが問題ではないと思います。

一番はご本人の口から蘭寿さん(&明日海さん)への敬意や「大事な公演中に申し訳ない」と言った配慮の言葉がなかった事です。
蘭乃さん容認派?の方は「会見で言わなくとも普段の蘭蘭コンビを見てれば分かるもん♪」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、宝塚の生徒としてはちょっとな…と感じてしまいました。
公式ホームページではカットされた(=タブー発言なんでしょうね)「慰留された」事は蘭乃さん的には何としても伝えたかったのに、相手役さんへの敬意や気遣いはご本人の頭から抜け落ちていた、これに落胆している方が多数いる事実もあると思います。

長文失礼いたしました。
by お名前(必須) (2014-03-23 09:25) 

てんか

はじめまして~の方

コメントありがとうございます。まったく、おっしゃる通りだと思います。
私の記事を読んでいただけたらご理解いただけたと思いますが、私は言われた内容の真偽よりも言ったという行為の方が意味を持つという考え方なので、蘭ちゃんが相手役への敬意をことばにしなかったことがなおさら残念でした。蘭寿さんへのことばはもちろんですが、彼女の場合明日海さんへのことばもあって然るべきだったと思います。
我が強くなければ生き残っていけない世界だとは思いますが、今回の会見では少し自分が出すぎたのかもしれませんね。
by てんか (2014-03-23 10:39) 

July

「辞めようと思っているんですが・・・・」
「ふ~ん、でも次エリザベートだよ」
「えっ!ホントなんですか~?・・・・じゃあ・・・」程度じゃないかと思ってます。
もしどうしても待ってくれなんて言わなければならなければ劇団の怠慢。バカ人事でしょう。何のために毎年音楽学校から入れているんだよ~。
エトワール聴いていると人材不足なんて思えない。話半分でいいと思います。

蘭とむさん見たさに再三足を運びましたが、気のせいかもしれないけど観客の反応はあからさまだったように思えます。
例えば阪急交通社貸切公演では男役さん皆髭をつけ、蘭とむさんが歌詞を関西弁でアドリブに大盛り上がりだったのに、らんちゃんに拍手少な過ぎ。
ネットに加え、公演は辛くねえ?!
よくジェンヌさんが観客の思いがヒシヒシと伝わりますって仰っていますが・・・。
よって、あの会見なのかは分からないけど、まだ公演が残っているので双方に良くはない気がします。
観客である私も姑根性で見ているんだなあ~って今更ながら思います。
by July (2014-03-23 19:06) 

てんか

Julyさま

実際どんな会話が行われたかなんてわかりませんけど、私たちが知っても何一ついいことがない部分だと思ってます。なんていうか、人の日記を読んでも何一ついいことないのと同じ感じで。ただ、今後はこの手の発言が増えてくる可能性があると思うんですね。宝塚に限らず、そういうことを明るみに出す方向に、世の中は動いているような気がしています。

それにしても劇場で観客の反応がそんなあからさまならかなり問題ですね・・。ほんと、退団公演中なのに。せめてすべて終わってからの発表であればここまですごくならなかったのに。私はもともとファンではないですが蘭ちゃんはかわいいと思って見ていた方なので、ほかにやりようがなかったのかなぁと残念に思ってしまいます。
by てんか (2014-03-24 02:00) 

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